2009年08月10日

丹波に府を置いた卑弥呼の兄弟

 最初に丹波に赴いたのは、建田背命である。『勘注系図』では建田勢命と表記する。建田勢命は男六人、女一人の七人兄妹の長男である。また卑弥呼はその末の妹である。
『勘注系図』はその注記の中で、建田勢命は最初、丹波の宰(みこともち)となって丹波に着任したとする。後に山背(やましろ)の久世水主村(くぜみぬしむら)に移る。現在の京都府城陽市久世である。そして更に大和に戻ったとする。

http://kodai.sakura.ne.jp/kanntyuukeizu/2-06-1takedase.htm

建田勢命が丹波で府を置いた場所がある。現在の京都府京丹後市久美浜町海部(くみはまちょうかいべ)である。ここに建田勢命の館跡という伝承地がある。また近くの矢田神社は建田勢命とその子供、建諸隅命を祭神とする。

その後建田勢命は山背(やましろ)に移る。したがって丹波で建田勢命の後を継いだのが
次男の建宇那比命の子供、笛連王と思われる。
なぜなら江戸時代に編纂された『丹哥府志』(たんごふし)に、次のような興味深い記述がある。

『神服連海部直(人皇七代孝霊天皇の御宇に熊野郡川上の庄に国府を造る)の子、笛連王(ふえのむらじのきみ)母を節媛(ふしひめ)といふ、人皇八代孝元天皇に仕へ奉り、丹波与謝郡比治(たんばよさのこうりひじ)の里、笛原に国府を造る、比治は今丹波郡比治山の麓、五箇の庄なり。

海部直の子供、笛連王の母親を節媛(ふしひめ)とする。
節媛とは二番めの兄弟である建宇那比の妻、節名草姫であろう。したがって最初建田勢命が久美浜に府を置き、建田勢命が山背に移った後、弟の建宇那比かその子供笛連王が、現在の京丹後市峰山町五箇に府を置いたと思われる。

http://kodai.sakura.ne.jp/keizudeyomitoku/108fu-dennsyouti.htm
そして建田勢命の子供、建諸隅命は現在の京丹後市丹後町竹野に府を置く。
『勘注系図』によれば建諸隅は、亦の名を竹野別(たかのわけ)と云う、それが竹野(たかの)という地名の由来とする。この建諸隅は、九代開化の妃になった竹野媛(たかのひめ)の父親、丹波の大県主由碁理(おおあがたぬしゆごり)でもある。
tanngohanntou.jpg

赤坂今井墳丘墓の被葬者
 ここに、築造の時代とその場所から、笛連王の母親、節名草姫と関係しそうなお墓がある。
赤坂今井墳丘墓である。
赤坂今井墳丘墓は、峰山町から網野町に抜ける山の中にある。大きさは東西約36m、南北約39m、高さ4mで山側から張り出した尾根を削り、台形の墓とする。築造の年代は三世紀前半とされる。
墳頂には6基の埋葬施設があり、一番大きい中心の埋葬施設には長さ7mの巨大な木棺が埋葬されているとされる。保存技術上の点から未発掘のまま保存されていると聞く。

akasakaimai.jpg

6基の内、第4主体と名づけられた埋葬施設から、ガラス勾玉や管玉を豊富に使用した豪華な「頭飾り」が出土している。同時代としては類を見ない豪華な品である。
また墳丘の大きさも、同時代としては最大規模である。
http://www.city.kyotango.kyoto.jp/cms/shisei/singikai/kekka/bunkazaihogo/documents/0408.pdf

この地域の権力者の墓であることは云うまでもない。

興味深いのはその築造年代と場所である。
三世紀前半といえば卑弥呼の時代である。私は笛連王の母親の名前から、卑弥呼の二番めの兄、建宇那比命が丹波に居たと推測する。
その子供、笛連王が府を置いたとされる五箇の庄は、この赤坂今井墳丘墓のある峰山町である。
一般に大型の古墳が造られるのは平野部のはずれで、居住地から遠望できるような場所が多い。ところうがこの赤坂今井墳丘墓は、峰山町から網野町抜ける山中である。下の写真は墳丘の上から近辺を撮った写真である。

Cimg0257.jpg

Cimg0256.jpg

だがこの場所は、建田勢命が府を置いたとされる久美浜町海部(くみはまちょうかいべ)や、その子供、建諸隅が府をおいた丹後町竹野からアクセスの良い場所である。何れからも参集しやすい場所なのである。
そこに、こんような山中に造られた理由があるように思う。
すなわち、この赤坂今井墳丘墓は、これら峰山町五箇庄、久美浜海部、丹後町竹野に府を置いた、海部一族の墓所と推測する。
もし第四主体の埋葬者が三世紀前半であれば、それに該当する人物として卑弥呼の二番めの兄、建宇那比命の妻節名草姫を想像する。
また最も大きい第一主体の被葬者は建宇那比命ではないかと考える。
posted by 曲学の徒 at 15:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 卑弥呼は宇那比姫
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